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空のように、海のように♪


パピヨンパパの思うこと
by willfiji
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日米安保と自衛隊

日米安保と自衛隊」(責任編集・遠藤誠司)日本の安全保障を10名の有識者が執筆した日本の取るべき道を示した注目の書。
戦後70年、安倍政権は専守防衛から集団的自衛権の行使へと踏み出した。抑止という大義で軍拡が進んでいる。日米安保条約の世界情勢を踏まえた歴史的変遷を専門家である有識者達が記述する。読み進むうちに安倍政権の誤った方向性になぜこの国は引っ張られてしまうのか、この識者達の意見がマスコミによって一般化されないのか、疑問を持つばかりである。
日米安保と自衛隊_a0199552_18231230.jpg


日本の防衛費は4,8兆円,自衛隊位25万人、立派な軍事大国である。
この本は日本の進むべき道を示している。
敵視による軍備拡大はお互いに拡大することだけであって無意味だと断じる。

安倍首相の国会答弁に見られるように日本は中国を敵国と想定している部分がある。アメリカが世界の警察官であることをやめ、各国に防衛を任せて行く中で、アメリカは中国と対抗することなく手を組もうとしている。もちろん中国の周辺海域の領有拡大を簡単には許さないが戦争によって決着を図るということはほとんど考えられないとしている。アメリカと中国の関係は日本と中国との関係より良化している。

安倍政権が中国、韓国との関係を悪化させることをアメリカは懸念し軍備に頼らない関係を持つことを望んでいる。そうした国際情勢をふまえて、戦争が起きたときに失われるものを考えれば、尖閣の問題は両国で共同開発すべき地域とすることを考えるべきだとする。戦争を起こさないためにはまずどちらかが一方的妥協姿勢を持つことだと提言する。

従軍慰安婦の問題でも少しでも妥協するとその姿勢を曲解して批判する人達がいる。
中国や韓国の反日の人たちの姿を見て日本人の多くは間違った愛国教育が生んだ偏狭な人だと思うだろう。日本人にその姿を見ることは実に悲しいことだ。
日本で嫌韓嫌中の人が声を大きくしだしたのは政権にも責任がある。

自衛隊について我が意を得た論が展開されていた。
憲法9条の下での自衛隊というものだ。災害時の自衛隊の働きを多くの国民が賞賛する。
ボクも同じだ。東日本大震災は阪神淡路地震の経験が生かされたという。
自衛隊の災害救助活動を主任務にすることをこの本は提言する。

鬼怒川大水害の時にヘリコプターで救助される人たちの姿は記憶に新しい、ロープで救助されるニュースにもどかしさを感じた人もいるだろう。手こぎボートによって浸水した家を回る自衛隊員の姿も同じだ。
迎撃ミサイル技術や垂直離着陸と高速飛行が可能なオスプレイといった技術があるなら、洪水や瓦礫から人を短時間に救う機材等は簡単に出来るのではないだろうか。世界最強の災害救助隊として、災害時には国境を超えて直ちに任務を果たせる自衛隊なら世界から敬服される自衛隊になるだろう。

良識あるこの本がベストセラーになっていることを誇らしく思う。


by willfiji | 2016-02-29 18:33 | 読書 | Comments(0)

ダーウィンの遺産

「ダーウィンの遺産」(著・渡辺正隆)進化学者の系譜
毎週録画して、時間のある時に観ているのがNHKの「ダーウインが来た」だ。ほとんどの番組がバラエティー化して、動物番組も動物の赤ちゃんでお茶を濁す、
そんな中にあって、この番組はレベルが高い。そのダーウィンの残した偉大な功績を記す。
ダーウィンの遺産_a0199552_18251636.jpg

ダーウィンはコロンブスと同じように、キリスト教の教えがほとんどの事象に信じられていた時代に、全ての生き物の元は同じだと神が人間を神に似せて作ったとしていたことに対してダーウィン的転換をしたのだ。

ダーウィンは200年前の人だ。ダーウィンはビーグル号に乗ってガラパゴス諸島に上陸する。そこで見た動物から進化論が生まれた。

この本は進化論をめぐる学者達の関係や主張を詳細に書き出し動物の謎を解き明かす。
沢山の学者が出てくる上にメンデルの法則に見られる配列の数式等、難解なところがある。理解不能な部分は読み飛ばしたが大枠を掴むだけでも進化論がいかに困難な問題を抱えながら、新たな科学によって修正されて今に至ったかということがわかる。

いくつか挙げると、キリンの首は高い木の食べ物を食べるように伸ばし続けたから長くなったのではない、首の長いキリンが遺伝を引き継いで長くなったとか、サルが立って人間になったのではなくて、立つサルがサルから別れて人間の祖先になったとする。同じようだが大いに違う。

人とチンパンジーのDNA(塩基配列)は98%同じだというと気分が悪くなる人がいるが、その2%がすごく違う、それは98%の素材で作る料理を考えれば全く違うからだ。

動物のことを知ると人間の事がよくわかる。
利己的遺伝子と利他的遺伝子というのがある、自分のために行動するか、他者のために犠牲になるかということだ。働き蜂は生殖能力を持たないが女王蜂のために働く、それが利他的というものだ。より大きな目で見ればその方が強い子孫を残せるからだ。

人は自分を大切するが利他は家族、親類、地域と広がる、国家のために利他が働くと考えればナショナリズムは分かり易い。利他はより広い目で見る遺伝子から生まれる。
領土問題も利他で見れば世界の中で考えられる。戦争のない世界は究極の利他で生まれる。人間が進化するには、この利他の多い人を受け継ぐ遺伝子が必要だ。
残念ながら、時の首相はこの遺伝子が少ないようだ。


by willfiji | 2016-02-20 18:29 | 読書 | Comments(0)

オオカミが日本を救う

オオカミが日本を救う」(著・丸山直樹・他)生態系の役割と復活の必要性。

アメリカのイエローストーン公園にオオカミが再導入された、何十年もかかったが同じように、日本にもオオカミを復活させようと精力的に取り組んでいる人がいる、著者だ。
オオカミが日本を救う_a0199552_17553992.jpg


オオカミの本を何冊か読んでいるのは、最近気になる動物が、タイリクオオカミだからだ。
モウコノウマの不思議に魅せられて、ボランティアでガイドスポットをやっているがオオカミは天敵としてその領域に展示されている。その姿を見るたびに何か通じるものを感じている。

ボクも「赤ずきんちゃん症候群」になっていた。オオカミのイメージが童話によって培われたという。著者はこの刷り込まれた誤解を解く為に奮闘している。
オオカミを復活させる理由は二つある、基本になっているその①は「種の多様性」ということ、これがなければ始まらない。日本で絶滅したオオカミの姿を日本で見たいからだ。トキやコウノトリと同じだ。

そしてその②は最上捕食者であるオオカミの滅亡によって、野生動物が増え、多くの害を及ぼしている。その対策として必要だと説く、様々な対策が打たれているが殆どが効果的ではなく、オオカミ導入以外の解決策はないというものだ。

イエローストーンの例はボクも羨ましく思っていたが日本では無理だと思っていた。
この本を読むと、大丈夫ではないかと思うようになって導入すべきだとも思うようになった。
この本にはオオカミ導入のリスクについてボクが思っていたほとんどのことに対して答えがあった。昨日ナチュラリストを自認する友人と話したが友人の疑問も同じだった。

それは、導入すればマングースの例と同様に被害をもたらすというものだ。それに対して著者はマングースの失敗例をあげて、オオカミ導入とは全く別だとする、マングースは外来種で日本にはいなかったがオオカミは在来種で日本にいた、日本で何千年も生き抜いたから最頂点捕食者として自然の一部としの役割があったという。日本オオカミは絶滅したのだから導入するオオカミは外来種ではないのか、といった疑問にはDNA検査ができるようになって、日本オオカミは亜種であるから同じ動物だと疑問を払拭する。

人を襲うというリスクには、オオカミは臆病な動物だから普通であれば人を襲うことはない、イエローストーンでも人が餌付けしようとして襲われることがあったが、人慣れさせないようにする必要があるという。ツキノワグマやニホンザルが人に危害を加えることよりずっと少ないともいう。不注意によって家畜は襲われることがある、その場合は保証制度をつくることも導入と同時に必要だとしている。
シカやサルやイノシシはますます増えている。その被害は160億で年々増加している。

ジビエ料理を期待すると友人はいう、ボクもそう思うが、著者によれば、
何千万という施設がつくられてもそれが機能していないとしている。これは他の本にも書かれていた。ジビエにまわされるのは現状でも数パーセントに満たない。

自然だから自然にまかせればいいのだが、人によって滅ぼされた日本オオカミは人によって復活させる必要がある。オオカミの復活を望む人は徐々にではあるが加速的に増えている。


by willfiji | 2016-02-15 18:05 | 読書 | Comments(0)

ヒトの本性

ヒトの本性」(著・川合伸幸)なぜ殺し、助け合うのか。
東日本大震災とそれに伴う原発事故があって、今までの効率一辺倒のやり方に疑問視が打たれ、優しい時代に向かうのかと思ったが、その始末の仕方を政権を取ったばかりの民主党は誤り、敵失に返り咲いた現政権はこの国を優しさとは逆の方向に押し戻そうとしている

人間の本質とはいったい何だろうか?そんなことがボクの中で膨らんだ。

ヒトの本性_a0199552_17122567.jpg

人間も動物だと考えて、動物と比較してみたら人間の本性わかるのではないかというのがこの本だ。

読んで安心したことがある。戦火が絶えなく続きテロも頻発、長い戦争の歴史から理想の姿として生まれたEUもその存続を問われているが、大きな時代認識でいえば現代の戦死者は減ってきていて紛争も限定的になっているということだ。
この本には、
人類は武器を持つ事によって殺し合うまでになったが同時に抑止する理性を持ち絶滅をま逃れた。進化の過程で攻撃的な人が排除され融和するようになってきた。人間はお互いに助け合う性質を持っていて、そうでない人は排除されて社会生活ができるようになった。また権力が集中すると弱者に対して残忍な行為を行うようになるためにそれを制御する術を持った。と書かれている。

著者は様々な実験から人間の本性を証明する。そのひとつひとつが面白い。
幼児でも与えることや人を助けることに喜びを感じるという、相手の立場になって考える想像力を持つ特性もある。
また、人間に一番近いチンパンジーの中でも性質のおだやかなボノボに人と同じ行動が見られるという。人間はチンパンジーと同じ祖先を持つ、しかしある段階で別れた、暴力的性格を持ったものがチンパンジーへと、優しい性格を持ったものが人間へと枝分かれしたのだ。

人間は武器という道具を持った、それは最初人に向けられるものではなかったが、やがて人にもむけられるようになった。同時に人間は抑止という理性でそれを抑えるようになった。理性がまだ優っていないから戦闘が繰り広げられるのだ。

日本が大きな犠牲を払って手に入れた平和憲法は知性が生んだものだ。
戦勝国アメリカによって与えられたものではない。戦争をした国々の人間の知性が生んだものだ。

人間は進化のために善を選択してきたという、教育によって高い理性を身につけることが紛争を解決する近道であるとこの本は示す。
日本が先進国になったのは高い教育制度があったからだ。戦後の平和はその中から生まれた。

アメリカ大統領候補のトランプ氏やヨーロッパの極右勢力を支持する人たちの多くは教育に恵まれない人たちだ。日本のネット右翼やヘイトスピーチをする人々もそれに似ている。

人間の本性の中にある二面性を知って、抑止できる知性を備えること、それが現代人の進化のバローメーターであるとこの本は教えてくれた


by willfiji | 2016-02-08 17:21 | 読書 | Comments(0)

ウルフ・ウォーズ

ウルフ・ウォーズ」(著・ハンクフィッシャー)オオカミはこうしてイエローストーンに復活した。
ウルフ・ウォーズ_a0199552_10584572.jpg

1926年イエローストーン公園からオオカミが姿を消した。その50年前から公園には密猟者がエルク(シカの仲間)やオオカミの毛皮を捕るために横行していた。
その上1914年からはオオカミ根絶キャンペーンが始まった。オオカミが消滅してから約70年後の1995年、イエローストーンにオオカミが戻ってきた

この本はオオカミをめぐる70年の論争を感情に溺れず論理的に記述している。だからと言って単なる議事録ではない、著者のオオカミに対する愛情がにじみ出ている
なぜこんなにも時間がかかったのか、オオカミを自然に戻すことの賛否を問えば誰でも矛盾にぶちあたる。酪農業者の反対は一貫しているが賛成論には色々あってなかなかまとまらない。ばからしいことでこだわって一歩手前で挫折するそんな姿が浮き彫りにされる。
それでも著者達は賛成反対を別にして自分たちの主張が実現するように誠意ある態度を貫き通す。動物愛護の真骨頂には頭が下がる。

この本の訳者は日本でもオオカミを復活させたいと活動されている人だが、イエローストーンで70年かかった問題を日本が踏襲するとは思えない。一からやらなければならないだろう
シカが増えすぎたこともあってほんのわずかだが日本もオオカミ復活にむけて生命が誕生する時のように微動しだしている気がする。

ボクもオオカミ復活を望むけれど、家畜や人身に及ぼす被害をどう判断したらいいのか迷っている。我が家はイヌ連れでキャンプを楽しんでいる、小型犬だからオオカミが来たら太刀打ちできない。ある人がアメリカでオオカミ復活ができたのは銃社会だからだと言っていた。キャンプ中に襲われたら撃ち殺してもいいからだ。

この本にはオオカミは彼等から人を襲う事はないという。家畜は襲っても人は襲わない、
ということは我が家のワンちゃんは襲われることになる。そのへんの折り合いがボクの中ではついていない。

オオカミは欧米では嫌われたが日本ではオオ神様と祀られた、共存の文化がある。

増えすぎたシカを減らすという合理的判断より大事な事がある。
日本の自然の中で野生動物の頂点にいたオオカミが日本の自然の一部として復活したらいいという理由だ。ボクの意見はそれに近い、
もし導入となればタイリクオオカミだからニホンオオカミより大型にはなる。そんなことはすぐには実現しないだろうがあと70年たったら復活しているかもしれない、思いを馳せることだけでもワクワクする。





by willfiji | 2016-02-02 11:05 | 読書 | Comments(0)