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「ひとつむぎの手」(著・知念実希人)(読書no.354) 最後は感涙の本。この本も友から教えられた。 著者は医師、ドクターXのような痛快さはないが医療の実体と医師の使命感を著した良書。コロナ禍の今必読の一冊だ。 平良祐介は純正医大付属病院の心臓外科医、中堅の医局員で次のステップとして技術を磨ける系列の富士第一病院への出向を願っていた。医局員の人事を決める赤石教授はかつて祐介の母親の心臓手術をした人、祐介は心酔してこの道を選んだ。 もし出向が決まれば一流心臓外科医としての道が開ける。心臓外科医の任務は激務だ。妻や幼稚園に通うひとり娘と会うのも週1、2度。医局のソファーで仮眠を取るような毎日が続く。 ある日祐介は赤石に呼び出される、研修医3名の指導医になりそのうち2名が心臓外科医を希望するようになれば希望の出向を考えるということだった。この環境に果たして2名も希望してくれるだろうか、激務が続く中、うまく指導できるか、迷ったが富士第一に出向できなければ沖縄の病院に飛ばされるという話もあってその任を受けることにする。 祐介ははじめ研修生には実体を知らせないようにする。激務がわかったらきっと入局しないと考えたからだ。うわべだけの研修は結局研修生との距離が遠のき、祐介から研修生は離れ軽んじられてしまう。 祐介は患者に寄り添い患者家族からは信頼されていた。祐介は手を抜かない、誠実でまじめで努力の人、それゆえにうまく立ち回ることができない。不器用だともいえる。 医局には教授、准教授、医局長、のピラミッドが存在する魑魅魍魎の世界、醜い出世競争がある。祐介にとって不得手だ。患者をめぐる心臓外科と循環器内科の主導権の争いといったものもある。著者は医科大学の複雑な事情を教えてくれる。白い巨塔を思い出す。 ホスピスを望む患者本人とあくまで生き延びてほしいと願う家族の葛藤、すべての手段が絶望的で死を待つしかない患者もいる。祐介は冷静にかつ丁寧に家族が納得するまで患者の状況を説明する。祐介のそうした姿勢にたびたび接することで研修生たちの誤解が解けていく。 祐介には針谷とういうライバルがいた。後輩でありしかも赤石教授の甥、祐介が努力の人なら針谷は天才だ。針谷は明るく医局内でも評判がいい。要領もよく休む時は休む。 二人のうちどちらが富士第一に出向するのか?複雑な医療組織の人間模様が織り込まれ物語が展開する。祐介のヒューマニズムが読者の胸を打って感涙小説となる。 コロナ禍の中安楽死の問題をボクはどうしても考えざるを得なくなった。 イタリアでは人工呼吸器が足りなくなって高齢者から外した。日本も高齢者の命の価値を問う議論が高まった。時を同じくしてALS患者の嘱託殺人が話題となった。尊厳死を求める患者をどう考えるか。自分のこととして考えなければならない問題だ。 ボクは尊厳死を自分自身には肯定する。しかしそれを人に言及することはしない。イタリアの判断は間違っている。 中国を支那と呼び続けた石原元都知事がALS患者を業病(前世の報い)と言って問題となった。ボクは右翼と呼ばれる人たちや維新の党は優性思想に侵されている傾向があると思う。強いリーダーを求める姿勢は差別を生む。 ALS患者の令和新選組国会議員である船後さんのコメントが心に響く、「安楽死を認める発言が難病患者に『生きたい』と言葉を言いにくくさせている、『死ぬ権利』より『生きる権利』を守る社会が大切」というもの。 これはコロナ禍に生まれた自粛警察の問題でもある。各自に判断を任されたものは自分で判断すべきで他者を制限することはないのに自警団の動きをする。 ボクは尊厳死を望むがそれを他者にまで同調させる気は毛頭ない。 民主主義は時間がかかる。人類はそれ以外にいい方法をまだ見出していない。各自が判断することを尊重すべきだと思う。 強いリーダーを求めることや決断が必要なことはよくわかるが、自分の命の問題を他人に任せてはならないことは明らかだ。
by willfiji
| 2020-08-09 17:02
| 読書
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