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読書好きの友に他にないかと聞いたら即答してくれたその中の一冊。
久しぶりのサスペンスだ。
サスペンスは思ってもいない世界が体験できる、エンターテーメントこそ読書好きが深みにはまる魅力だ。
サスペンスの感想をネタバレで書く気持ちはない。
読書ブログはその時ボクが考えたことを本を通して書いている。本はダシ、撒き餌の役を果たす。
父親から毎年誕生日に手紙が来る、父親が家から出て行ったのは麻美子が中学生のころ娘が父親に反抗する年ごろだ。
母との縁を切って他の女性の所へ行った。
麻美子はそう思っていた。違う家族が登場する、圭一は懲役を終わって社会復帰した、彼の殺人犯だった。
関係なさそうな二つの家族がサスペンスの道を作る、二つの家族がどこでどう出会うのか、エンターテーメントがページを速める。
人の命がテーマだ、追い詰められた人生、愛すべきものを助けるために命を投げ出すのは正義ではないか、最近胸に迫ったことと重複した。
ボクは現政権に批判的な立場を取る。それは歴史認識の違いが大きい。現政権の持つ自愛すぎる思想は危険だからだ。自分主義では社会は構成できない。
他者の痛みを自分のこととして思う気持ちが大切で「情けは人のためならず」だと僕は思う。
弱者のための政治を志向する令和新選組の山本太郎氏の主張に通じる。同党の参議院立候補者の大西つねき氏の発言が物議をもたらしている、命の価値についての議論だ。
彼は除籍となった。山本太郎がその時、号泣したという。それは真実だと思う山本太郎は弱者の味方、安倍晋三とは対極にある。
ボクは大西氏の発言から除籍後までのビデオを見て、迷いに迷っている彼の姿も真実だと思う。
彼はコロナ禍の中、高齢者を選別する発言をした、介護の人のリソースが限られている場合、高齢者にかけるのは限度があるのではないかというもの。
命はいつか途切れる、延命によっての負担を若者にもたらすべきではないと彼は問題提起した。身障者の生産性を問題視する命の価値を軽んじる考えだとして彼は除籍になった。
コロナ禍で高齢者のICUマスクを外したイタリア、必要以上の措置を取らず高齢者の死者数が増大したスウェーデン、高齢者の命の価値が問われた。
大西氏は尊厳死の問題と考えてはどうかと問うたのだ。尊厳ある死を自分で選んでいい、他者が決めてはならないとボクは思う。
この議論はタブー視しないで続けたらいいと思う、ただし、山本太郎が号泣したほどのレベルが必要だ、生産性でしか考えられない自愛中心の人にこの議論はそぐわない。
ましてやコロナ禍の高齢者と障害者を一緒にするようなことは許されない。
悲しいことに憲法改正議論と同じように現政権下での議論は危険だ。
「真実はすべてを幸福にするわけではない」と著者は記した、エンターテーメントではないこの本の価値を友人はボクに伝えたかったのだと思う。