「ざんねんないきもの事典」「続・ざんねんないきもの事典」(監修・今泉忠明) おもしろい進化の歴史。
動物園仲間から貸してもらった人気の書。
動物の世界は知れば知るほど面白い、先週行なわれた「生物多様性シンポジューム」は学際的過ぎて理解できなかったこともあったが、この本は小学生にもわかるように書いてある。監修者の意図はシンポジュウムと共通する。
地球上にいる生物種の数はまだ知られていない種も含めれば3000万種ともいわれ哺乳類は6000種が確認されている。人類はこの中の1種に過ぎない。
多様性を認めるとは個々の命の大切さを尊ぶということ。
絶滅危惧種を救うのは文化的側面もあるが地球上の生物はお互いに影響しあって存在しているという共通利害の側面があるからだ。
もちろん種を守るために害虫や外来種などを排除が必要な事はある。
この本の面白い所は生き物の形や機能の不完全性を「ざんねん」と言う言葉で優しく見守り生きている事の大切さを伝えていることにある。
ワニは閉じる力は強いが開ける力がなく人が片手で口を持てば開けることができないとか、仔像は鼻を持て余すとか、クジャクの羽は長すぎてじゃま、等々、進化が決して完璧でなかった例を数多掲げる。
多様性を認めるとはこの不完全を認めることに通じる、子供たちが動物に触れることで学ぶ大切なことだ。
ボクのブログはこの時期どうしても政治的になる。
麻生大臣の言葉や振舞いに人としての素養の欠如を感じているのはボクだけではないだろう。共感力のなさが原因だ。安倍首相にもトランプ大統領にも共通するが相手の立場に立って考えられないという欠陥がある。
安倍政権に共感力の欠如を見る例は枚挙にいとまがない。ヒロシマ・ナガサキの惨状を目にしたら核兵器禁止条約署名は当たり前のこと、東日本大震災を経験した日本で原発再稼働もあり得ない。
未だに続く世界各地の紛争で避難民になった人たちや負傷した子供のいたいけな姿を見たら平和憲法を持つ日本が世界の先頭に立って負の連鎖を断ち切らなければならないのに自衛隊に軍隊への道を歩ませようとしている。
生物がざんねんな特徴を持つのは微笑ましいがその頂点に立つ人類の不完全さは好戦的という深刻な特徴がある。その事を知っている人間の進化の究極は知で解決することだ
幸いにも人類の歴史は世界平和に向けて歩みを続けている。
だが時として平和に背を向ける人によって停滞することがある。多くの生物はそこで絶滅する。人類にもいつも絶滅の危機が訪れる、多様性を望まない首相を間接的にも選んだ日本だが、良識が勝ることを信じて止まない。