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空のように、海のように♪


パピヨンパパの思うこと
by willfiji
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「終わらざる夏 。上・下」(読書no.217)

終わらざる夏。上・下」(著・浅田次郎)
終戦は1945815
日、それでも戦争が終わらなかったという史実をもとに書かれた悲劇の物語だ。

「終わらざる夏 。上・下」(読書no.217)_a0199552_16544832.jpg


映画「この世界の片隅に」が大ヒットした背景には、戦争が終わって70年経って世相が変わってきたことによる。2度と戦争は起こさないと誓った反省を威勢のいい言葉で一蹴するナショナリストたちが存在感を出している。そのことを危険だと感じ取った人々に訴えるものがあったからだ。この本も当時の一般の人たちが戦争を体験しどう感じたかを映し出しそんな世相に一石を投じる。


今国会を通そうという「共謀罪」、これがどんなに悪法なのか、この本が書かれたのは
7年も前だが、戦争時の治安維持法が自由を奪っていったことを明白にしている。


主人公が語る、「片岡が憎んでいるものは戦争そのものではなかった。非常時の名のもとにあらゆる自由が奪われていくことを心から憎悪していた。」


浅田彰氏は直近でも共謀罪反対の立場で、「人はいずれ死ぬが、法律は死なない。子や孫の代にこの法律がどうつかわれるか」と発言をしている。


この物語は日本がポツダム宣言を受諾した時、千島列島の先端の島「占守島」に
23000人もの無傷の兵隊と戦車戦力が存在したことを記す。その島に終戦直近に徴兵された老兵とあとひと月で徴兵年齢から外れる英語翻訳者と医専在学中の若い医者を中心に物語は進む。


それぞれの家族やそれを囲む人たちの思いやその時の生活が綴られる。

大本営の発表とは裏腹に沖縄戦敗戦や各地での空爆から人々は日本が負けると思っていたがそれを声に出すことはできなかった

東京も空襲によって焼野原になり人々は少ない食料と住む場所を求める日々が続く、疎開先で家族の死を知る子供たちも多くいた。常に空腹でやせ細っていった

何のための戦争か、誰もが疑問に思っていたがお国のためだと鼓舞する人に従わざるを得なかった。国民の大半の気持ちは一億総玉砕に向かっていた。国のため、天皇のために死ぬことを覚悟していたのだ。国とは何か、天皇とは何か、そうした考えさえ持つことを国は許さない、命令は絶対だった。


暗い世の中でも人々は生きることに希望を抱いていた。

やがて広島、長崎に原爆が投下されソ連が宣戦布告し、日本はポツダム宣言を受諾した。


占守島の兵たちも玉音放送の内容が伝達され、武装解除の準備に入った、英語翻訳者の徴兵はその時やってくる米軍との折衝のためにあらかじめ派遣されたのだ。本人が知ったのはこの島に着任してからだ。参謀は敗戦の準備を半年前からしていたのだ。


その島で戦争が始まった、攻めてきたのはアメリカではなくカムチャッカにいたソ連軍だ。日本軍が戦力的に勝り死傷者はソ連軍を下回るが日本兵の多くが死に翻訳者もその中にいた。


やがてアメリカの仲裁が入り、日本兵はシベリアに抑留され過酷な労役が課され多くの人がそこでも死んでいった


日本から言えば明らかにソ連の違反行為だが、北方領土をソ連は勝ちとり、彼らの言い分では攻撃をしかけたのは日本だと主張して今に至る。


本には千島列島の歴史が詳しく書かれている。


この島にはアイヌに近いひとたちが住んでいた、クリルアイヌという人だ。アイヌ語に近い言葉を持つ、千島列島に
500人が居て、占守島に90人いた。この人たちはロシアのひとたちとも日本人とも戦わず、友好的に交流があったが明治政府によって択捉に強制移住させられ、樺太のアイヌやウィルタや二ブヒといった人たちと同じ運命を歩む。


国がからんで民族的基盤を失う歴史から我々は国家とは何かを学ぶ必要がある。


負けると分かっていた戦争、国のために多くの命を失った戦争、戦争が終わったのに死んでいった人たち。昔から居たのにいなかった人たちで住む所が無くなってしまった人たち。


この本の題名「終わらざる夏」は今も続いている。

軍事費に5兆円も費やしていいのか、日本が平和国家を築いたのは戦争という数多の犠牲から学んだ結果だ。世の中が変わってきていると戦前に戻る思想を憲法に組み込むという流れになってはならない。国のために徴兵制まで思考する国にしてはならない。


不可侵条約を破棄して戦後まで戦争を仕掛け、違法な労働でシベリア抑留させたソ連の行為や庶民まで大量殺戮した東京大空襲、そして原獏投下したアメリカの行為も不当である


被害者になった日本国民の声は平和国家を目指す一つの道を示している。
同時に日本人として心しなければならないのは、加害者としての深い反省だ。


侵略戦争を肯定し慰安婦問題を蒸し返す愚は戦前の誤った方向への道筋だ。

被害者としての気持ちは加害者としての気持ちと併せ持つことによって平和への強い意志となって現れる。


安倍政権になってから、日本は近隣諸国からの信用をどんどん失っている。加害者を認める勇気がないから力に頼ることを目論むのだ。


終わらざる夏を終わらせることができるかは国民一人一人の平和を希求する心にかかっている。



by willfiji | 2017-06-09 17:03 | 読書 | Comments(0)
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