上野動物園は約130年、多摩動物公園は約70年の歴史がある。
「物語上野動物園の歴史」(著・小宮輝之)と「多摩動物公園」(著・中川志郎)を読んだ。
ボクがボランティアとしてこの動物園で活動するようになって研修期間も含めてちょうど1年になる。研修中に知ったこの本、文化史としても興味深い。
動物園という名は福沢諭吉が考えたらしい、確かに江戸時代に見世物小屋はあったが動物園のようなものはなかった。
ヨーロッパの動物園を視察することで変化し続けている。
見世物小屋からの脱却がその一歩。いろんな動物をとにかく集める「コレクション」から動物園の使命は年を経て変ってきている。
「レクレーション」・「教育」・「種の保存」・「研究」が現在の動物園の役割でボクはボランティアとして「教育」部分を担う。
ピーク時には両園で年間500万人を超える人達が来園したが頭打ち傾向にあることも否めない。デズニーランドは大人気でジャングルクルーズはその中でも評判だ。船が通ればその時カバが口を開け、ワニが飛びかかり、ライオンが獲物を食む。
動物園ではこうはいかない。暑ければ寝ているし木の葉に隠れて背中だけが見える事も多い。旭山動物園で有名な
行動展示を各動物園にも展開しているがあくまでも動物行動を利用したものであって思い通りにはいかない。
ボクは寝ていても見えるのが背中だけでも「ありのまま」を「観る」のが大事だと思う。
「寝てるね、どこが動いているかな?」 「毛が沢山あるね。マフラーみたいだから寒くないよね」、ありのままを観る、感じる。それが
バーチャルとは違うと知って欲しいと思う。
ぬくもりがある、生きているから死んじゃう、そんなことも経験して欲しいと思う。
歴史の中で戦争によって殺さなければならかったライオンや虎等の動物の史実が悲しい。
薬毒死させようとしたら決して餌を食べようとしない像達、
食べさせない事で餓死を選ぶ、日に日に痩せる像、命令に従わなければ非国民になる飼育員、像は記録的に生きたから密かに餌があたえられたのだろうがやがて死んでしまう。
こんな悲しい事を2度とおこしてはならない。
今でも世界には
8人に1人が飢餓で死ぬ。それなのに
大食い競争をおもしろおかしく放映している。そんなTV局は放映権を返上すべきだ。
来園の子供達にそこまでの説明はできないけど生き物を
愛おしむ気持ちが生まれればやがてそうしたことも学んで行くと思っている