人気ブログランキング | 話題のタグを見る

空のように、海のように♪


パピヨンパパの思うこと
by willfiji
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
メールアドレス
フォロー中のブログ
カテゴリ
以前の記事
2024年 03月
2024年 02月
2024年 01月
2023年 12月
2023年 11月
2023年 10月
2023年 09月
2023年 08月
2023年 07月
2023年 06月
2023年 05月
2023年 04月
2023年 03月
2023年 02月
2023年 01月
2022年 12月
2022年 11月
2022年 10月
2022年 09月
2022年 08月
2022年 07月
2022年 06月
2022年 05月
2022年 04月
2022年 03月
2022年 02月
2022年 01月
2021年 12月
2021年 11月
2021年 10月
2021年 09月
2021年 08月
2021年 07月
2021年 06月
2021年 05月
2021年 04月
2021年 03月
2021年 02月
2021年 01月
2020年 12月
2020年 11月
2020年 10月
2020年 09月
2020年 08月
2020年 07月
2020年 06月
2020年 05月
2020年 04月
2020年 03月
2020年 02月
2020年 01月
2019年 12月
2019年 11月
2019年 10月
2019年 09月
2019年 08月
2019年 07月
2019年 06月
2019年 05月
2019年 04月
2019年 03月
2019年 02月
2019年 01月
2018年 12月
2018年 11月
2018年 10月
2018年 09月
2018年 08月
2018年 07月
2018年 06月
2018年 05月
2018年 04月
2018年 03月
2018年 02月
2018年 01月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
最新の記事
最新のコメント
シコシコするのが好き❤️
by 下痢便 at 21:20
こんばんは。 自分..
by 神崎和幸 at 20:34
はじめまして。KAZUM..
by KAZUMAKI at 15:41
紹介 日本語の起源..
by コトタマ学 at 22:03
ジョニー店長、動物達は何..
by パピヨンパパ at 21:10
目は、口ほどに…と、言う..
by Jony店長 at 20:08
大変参考になりました!!..
by 拓也 at 21:52
拓也君偶然ですね、弓張は..
by パピヨンパパ at 11:03
佳苗ちゃん、いいよ!幹事..
by パピヨンパパ at 10:24
突然のコメントすいません..
by 拓也 at 12:47
最新のトラックバック
ライフログ
検索
タグ
その他のジャンル
ブログパーツ
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧

等伯

今話題の直木賞受賞作、『等伯』(著・阿部龍太郎)上下巻を読まないわけには行かない。

女性画家『春香』の一途な愛を易しい言葉で描いた葉室麟の『千鳥舞う』も尾形光琳の放埒な生き方を書きあげた高任和夫の『光琳ひと紋様』も画家の生涯を描いた事では同じだがこの『等伯』は一味も二味も違った。作者が等伯の中に生きる小説だ。

長谷川等伯は幼い頃に能登の七尾の仏画家の養子となる。義父は秀でたその画才を見込み実娘の婿にする。仏画の域を超えた絵画に魅了された等伯は京の都に出て絵を極めたいと思うようになる。生家が武士の等伯は兄の本望である元七尾城主の畠山家再興の企てに協力する事を、京での修行と引換に約す。

そこから等伯の波乱の生涯が始まる。義父義母は自害し等伯の望む道を歩ませ、妻静子も等伯の思いを遂げさせることに尽くし短い生涯を終える。等伯は戦乱の中にあって、自分の魂に触れる絵画の真髄を求め、法華の道が説く『心をうち震わせる』絵を求め続ける

当時絵画の世界の頂点は狩野家が占めていた。その狩野に習いながらも等伯の心は埋まらない。長谷川派を目指すことになる。
信長、秀吉と狩野派は体制側につき、ことごとく等伯に対峙する。長谷川派を継ぐ程の力量を持った等伯の息子は狩野派の陰謀によって殺される。等伯は法華の道を心に、命をかけて絵を描き続ける。等伯の絵を見抜く高貴な人達に助けられ、遂に狩野派と並ぶ長谷川派を作り上げるに至る。

多くの犠牲が等伯を生かし長谷川派を創設するが、『自分のわがままで多くの人が命を無くした』と等伯はその犠牲になった者を思い悩み続ける。

等伯_a0199552_20555851.jpg


阿部龍太郎は等伯の葛藤するその姿を、悟りに至る僧のように真髄に近づく画家として描いていく。
日経新聞に連載中に3・11大震災が起きた。小説家に何ができるのか?
阿部は自分がうちのめされそうになった時、等伯の画集を広げ生命力をもらったと語る。

等伯の中に小説家として生き抜く道をみつけたのだと思う。上下2冊が丁度震災前後になるのかは書かれていないが。阿部と等伯のように仕事が自分の分身である時、人は一心不乱になれるものだ。

思えば最近は偉人ではない画家や鉄砲鍛冶や編集者の物語ばかり読んでいる。そんな自分に気がついた。人が最後に求めるものは見上げる権力ではなく等身大に生きる道なのだろうと思う。


by willfiji | 2013-02-20 21:05 | Thnking | Comments(0)
<< 同期会旅行、松島へ行く。 早渕川野鳥観察会 >>