空のように、海のように♪


パピヨンパパの思うこと
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バンビ

バンビ」(著・ザルテン)1923年に書かれたハンガリーの動物作家による名著。

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幼い頃、母に連れられて観たディズニーの映画はボクの動物に対する考えかたに大きな影響を与えていると思う。「ダンボ」や「ターザン」。その中でも「バンビ」は「小鹿物語」と重なる記憶として残っていた。はっきり覚えていたのは、尾に留まる蝶と遊ぶバンビの姿だ。

“こじかのバンビはかわいいな”♪というメロディーも浮かぶ。

「バンビ症候群」という言葉がある。ディズニー映画が「バンビ」によって世界中の子供たちに与えた影響だ。それは動物を擬人化してしまう態度や状態を表す。

良い影響も悪い影響も与えている。動物は人と同じように尊い命を持つとの教えは良いが極端な動物愛に導くのは危険だ。動物愛護団を見極めるとき重要なテーマになっている。

ディズニーの「バンビ」は原作の「バンビ」とは違っている。
原作の「バンビ」をボクが読んだのはきっと小学校高学年の頃だと思う。そして半世紀以上を経て再び手にした。時を超えて大自然の営みの中で生きるバンビの姿が作者の美しい言葉によって描き出されている。そのドキュメンタリーにしばし酔う。

バンビは優しい母のもとで生まれた。何と美しい子だろう!カササギが祝福する。おしゃべりリスがカケスに知らせる、ジャコウネコがハツカネズミを咥えるのを見てバンビは母親に尋ねる、「ボクはハツカネズミを食べるようになるの?」「いいえ私たちは殺さないの」母親が答える。

バンビは母親から色んなことを学び、いとこの姉弟にも出会う。

雄シカに出会った時にはその姿に恐れ一歩も歩けなくなるほどに驚くが憧れも同時に持つようになる。やがて森に悲劇がやってくる、銃を持った人間の出現だ。母親が撃たれる

深い悲しみの中、バンビは成長する。実りのない冬を生き抜き、バンビは春を迎え、頭には角が生え始める、雄たちの攻撃が始まる。

「バンビ」は偉大な生物図鑑でもある。一緒に過ごす動物たちの生態を生き生きと伝える。バンビは雄シカの中で最も優雅な姿を持つシカに生長する。

恋の季節が始まり、美しいガールフレンドを持ち、幸せな時間を過ごすが、やがて孤独を求めるようになる。バンビのその生き方は人間とは違う。

ボクは小学生の時どんな思いでこの本を読んだのだろう。この本は生物多様性を示している。動物それぞれの生き方には尊厳があるということだ。

人間は万能ではない、人間をも支配する大きな力があること、シカも人間もその下にあって同じように生きているということをバンビは学ぶ。

「バンビ」は子ジカのことだが主人公の名は変わらない。大人になっても「バンビ」だ。
ボクにとっても「バンビ」は半世紀の時を経ても変わらない感動をもたらしてくれた。  
  

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by willfiji | 2016-09-22 16:56 | 読書 | Comments(0)

ワンダフル・ライフ

ワンダフル・ライフ」(著・スティーヴン ジェイ グルード)バージェス頁岩(けつがん)と生物進化の物語。

この本が書かれたのは1980年代後半、その後目覚ましいスピードで生物進化の謎が究明されている。進化論の古典とも言われるこの本を読んだのは古典には新しい発見を促した原点があるからだ。

進化論の基本を知るために手にしたこの本に間違えはなかった。
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バージェンスはカナダにある。1901年ここに5億7000万年前の生き物たちの姿が発見された。73000点もの姿を留めたのは酸化を防いだ泥水だった。

固い殻を持つ三葉虫はもとより、化石に残らないとされた軟体生物の姿がそこにあったことによりそれまでの進化論の矛盾を解決する道が開けたのだ。

我々の祖先といわれる多細胞生物が生まれるまで、原核生物、真核生物の歴史が生命誕生から10分の9を使い、10分の1である5億7000年前、生命が爆発したいカンブリア時代が始まったのだ。

カンブリア爆発とは生き物が最大に生まれた時代である。それが徐々に収束されて、次に繋がる生物だけが残ったのだ。これが著者の新しい進化論だ。生物は小から大に進むのではなく。大から小へ収束するのだ。爆発と絶滅が地球上には少なくとも3回あった。

昆虫の羽は流体力学的に見て完璧でこれは自然淘汰による完璧な姿と言えるが、パンダの見えない6本目の指は竹を食べる習性を持つことによって齎されたものでより優れたものの進化ではない。つまり進化は必ずしも完璧という価値を得るためになされたものではないと著者は従来の学説に異を唱えた。

人類は神が神に一番近い存在として創ったと考えている人や、わが民族は他民族より優れていると思い込んでいる人は今も少なからずいる。

著者のバージェンス頁岩の研究は生命史の中で人類の位置付けを客観的に見る上で重要な役目を果たしている。研究者が研究成果を語る時、自らの置かれた環境による主観が顔を出すが、科学者は事実に忠実でなくてはならないと説く。

恐竜時代に生きた哺乳類はネズミほどの生き物で腕力は言うに及ばず知力でも恐竜に劣っていた。もし6500万年前に隕石が地球に激突しなければ、テラノザウルスが更に進化して、我々ホモサピエンスは行き場がなかったかもしれない。

自分の出目に誇りを持つことは勝手だが、生命史視点で言えば種にもましてや民族にも優劣等存在しないのだ。むしろ人種差別主義者の存在は人類が劣っている事を示している。

種が大から小になる時、争いがあって勝者が生き残ったこともあったが、世界最強のテラノザウルスは実に簡単に滅んだことを忘れてはならない

生命誕生から現在までの45億6千700万年の生命史を人類が知ることができるのは運がいいからに他ならない。

「ワンダフルライフ」が示したようにダーウィンを引き継ぐ現代生物学者たちの考えは人類は優れているといううぬぼれを捨てることに収束している。

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by willfiji | 2016-09-19 16:51 | 読書 | Comments(0)

生物はなぜ誕生したのか

生物はなぜ誕生したのか」(著・ピーターウォード・ジョセフ カーン ヴィンク)
生命の起源と進化の最新科学。
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動物たちのことを知りたくて何冊かの本を読み進むうちに生命の不思議に興味が至り、やがて今の自分の存在までも太陽系時間の中で考えるようになった。

人間は動物界の中で進化の頂点に立っていると一般には考えられているが果たしてそうなのだろうか?
世の中には理不尽と思われることが沢山ある。人が人を殺してはならないのに報復の連鎖がはびこる。自分の国や民族が優秀だというナチスと同じ考え方を持つレイシストが各国で台頭している。

進化は滅亡から種を守るためのものだとしたら、人は進化の頂点に立ってはいないのではないか?
地球誕生からの生命史はその答えを様々な領域から導いてくれる。生命史を綴る難解な書もその本だけでは理解できないが、他の書を読むことによって穴を埋めてくれる。この本は特に種の絶滅について詳細に記述している。

絶滅危惧種が年毎に増えている今、生物はこれからも種を減らす方向に向かうと認識していた。地球誕生から生命が生まれホモサピエンスが登場した時まで種はその数を増やしていたかというとそうではない。

恐竜の絶滅からも明らかなように、種の増大は地球上で何度も起こった、しかも新たな種が爆発的に増大する直前にはそれまで栄えてきた種のほとんどが絶滅していた。

絶滅の原因は気候変動による。地球が誕生した時は火の玉だった、生命が生まれる地ではなかった。巨大隕石が地球に何度もぶつかってやがて地球は生命が育むのにふさわしい太陽との距離を持つようになった。

今、生物にとって必要な酸素濃度は21%だが、地球年では無酸素から高酸素の時代が繰り返されている。酸素と二酸化炭素の比率はお互いに均衡を持つから二酸化炭素もその濃度を変化させる。

現在の動植物はこの二つの元素がなければ生き延びられない。濃度変化によって種は増大と絶滅を繰り返してきた。メキシコに隕石が衝突し地球全体に暗雲が広がり気候変動がおきて恐竜が滅んだ。ネズミ程の大きさの哺乳類が生き延びた。日本にも沢山の恐竜がいた。大陸と陸続きだったからだ。

恐竜が滅んで6000万年以上経って人類の祖先であるルーシーが登場する。人類は小さなネズミが枝分かれして誕生したのだ。その後人類が残ったのは優秀だからではない、気候変動をたまたま乗り越えた運があったのだ。

人類は今気候変動にも手を加えられる特殊な生き物になった。地球環境を変えてしまう隕石だとも言える核を手にした人類が絶滅を促進するかもしれない。

恐竜たちが自由に歩いた地を俺たちの土地だと主張する領土問題も地球史から見れば実に矮小な事だ。

ましてや今話題の蓮舫氏の二重国籍問題を持ち出したレイシスト(人種差
別主義者)の言動は人類が進化の頂点に立っているとはとても言えない。

ナチスの反省も顧みず「人類が一番上、わが民族が一番上」というナショナリズムが世界中はびこっている。これは人類絶滅の兆候かも知れない。

動物の世界では野生動物の保護等懸命な努力がなされ、多様性をどう維持するのかという問題に取り組んでいる。
人類を絶滅から救うのは多様性を認めていく社会であるという考え方に立脚している。そこには多様性を認めない排他的人種差別主義者を除いてという前提がある。


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by willfiji | 2016-09-13 11:42 | 読書 | Comments(0)

報復ではなく和解を

報復ではなく和解を」(著・秋葉忠利)いまヒロシマから世界へ。
前広島市長の著者が世界に向けて戦争のない世界を呼びかけ続けた今あらゆる人に噛みしめてもらいたい本。
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「安らかに眠ってください、過ちはくりかえしません」その碑の言葉の重さをその前に立つ人は胸に迫って感じる。

広島原爆平和公園のこの碑の前でオバマ大統領が献花したことを多くの日本国民が好意で迎えた。

毎年行われる慰霊の時のヒロシマ、ナガサキの平和宣言は人の心を打つものだ。
著者も言うように、世界は憎しみの連鎖に捕らわれ、ますます不安定化していくかのような様相を示している。「人間であり続けた被爆者たちの尊い生き方に学ぶべきではないか」と著者はこの本を著した。

G20参加首脳に、そして世界の人たちに、わけてもこれからの世の中を背負って行く人たちや、隣国の人たちと友好に過ごせない人たちに読んでもらいたい良書だ。

2001年の9.11が今の好戦的指導者が台頭した元になっている。ブッシュ大統領が報復を宣言し、多くのアメリカ国民が扇動され、「目には目を!」という報復の連鎖が始まった。

日本も後方支援とはいえ海外に自衛隊が出動することになって、集団的自衛権容認にまで至っている。ブッシュ大統領の選択はその後の世界を混乱させテロの頻発、各国のナショナリズムの暴走、平和が遠ざかっている。この実体を著者は嘆く。

ヒロシマの被爆者たちは熱風に晒された時から自らの命を絶つことなく生き抜いて、「報復ではなく和解を」と言い続ける。「こんな思いは他の誰もさせたくない」という思いは投下した国民のみならず、投下したパイロット、許可したトルーマン大統領、原爆研究者たちすべてを含むというものだ。

当時の軍関係者は今でもあれは正しい選択だったと言ってはばからない。
その人たちを憎むことなく、戦争そのものを憎む姿勢こそヒロシマが示している人類に対する深いメッセージだ。

著者は「世界の指導者が戦争をしないことを真剣に話し合うことといかなる戦争も子供を殺したらそれは国際法上犯罪にするとすれば平和が実現すると言明する。

中国でG20が開催され日中首脳会議が行われた、鈍い足並みではあるがこうしたことを続けるのが政治家の使命だ。核廃絶条約を棄権したり先制不使用に異論を挟んだりすることは被爆者の思いを踏みにじるものだ。


被爆したヒロシマの人たちが一番憎むのは「憎しみの連鎖だ」、憎しみを煽る好戦的指導者が戦争への道を作る。戦争が起こった理由は憎しみの連鎖に他ならない。

ヒロシマはそれに終止符を打つ。ヒロシマが、そして日本がその先頭に立たなければならない

著者は良識を取り戻すことを願っている。
反知性主義が世界を好戦的にしている。平和を主張する良識派は偉そうだというものだ。正しい事を言う時は謙虚に言うこと。ボクが心している言葉だ。

「報復ではなく和解を」という正しい事が素直に受け取られない社会を少しでも変えなければならないとこの本はボクの背中を押している。

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by willfiji | 2016-09-06 11:34 | 読書 | Comments(0)