空のように、海のように♪


パピヨンパパの思うこと
by willfiji
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
メールアドレス
お気に入りブログ
カテゴリ
以前の記事
最新の記事
いま憲法は『時代遅れ』か
at 2017-03-22 10:13
終わった人
at 2017-03-16 17:07
キャスターという仕事
at 2017-03-09 18:45
憲法という希望
at 2017-03-03 14:05
マッカーサーの二千日
at 2017-02-25 18:25
最新のコメント
紹介 日本語の起源..
by コトタマ学 at 22:03
ジョニー店長、動物達は何..
by パピヨンパパ at 21:10
目は、口ほどに…と、言う..
by Jony店長 at 20:08
大変参考になりました!!..
by 拓也 at 21:52
拓也君偶然ですね、弓張は..
by パピヨンパパ at 11:03
佳苗ちゃん、いいよ!幹事..
by パピヨンパパ at 10:24
突然のコメントすいません..
by 拓也 at 12:47
良いなぁ…月山!! 来..
by 佳苗 at 10:34
ジョニー店長。休みの考え..
by パピヨンパパ at 08:23
平田さん、   ご意見良..
by jony店長 at 21:48
最新のトラックバック
venushack.co..
from venushack.com/..
http://while..
from http://whileli..
http://www.v..
from http://www.val..
正義と信念のために
from 笑う社会人の生活
ドイツ皇帝の最後の宮殿で..
from dezire_photo &..
トキ 4羽の繁殖成功 多..
from ローカルニュースの旅
ライフログ
検索
タグ
人気ジャンル
ブログパーツ
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧

<   2014年 07月 ( 5 )   > この月の画像一覧


蜩の記

葉室麟の直木賞受賞作品「蜩(ひぐらし)の記」は男らしく武士らしく筋を貫いた男達の感涙の書だ
a0199552_10502642.jpg


庄三郎はささいなことで殺傷事件を起こし断罪される所だったが秋谷の仕事を手伝いながら監視する任を与えられる。秋谷は藩主の側室との不義密通の罪で10年後の切腹、その間に藩史編纂を行うという命が下され、家族と共に藩領の農家を住いとしていた。残された時は3年。庄三郎は秋谷と共に暮らすうちに罪に問われる人ではないことを確信していく。

病弱な秋谷の妻もまだ元服前の長男郁太郎、そしてその美しい姉薫も父親の潔白を疑わない。ただ秋谷は真相を明らかにしない。

側室はかつて秋谷の奉公人の娘であった。わずかだがお互いに声を交わした事がある。それだけだった。側室が命を狙われ秋谷が救う、逃げ込んだ屋敷でふたりは一夜を過ごした。

正室と家老の企みであると秋元は知るが藩主に寵愛された側室が正室を追い出せば藩はつぶれる。秋谷は罪を背負い側室は尼となる。死を受け入れ一心に藩史を調べる秋谷にもはや怖いものはない。己の命が藩を救うならば惜しむ命ではない。調べるうちにわかる正室と家老の関係。ひたすら立身出世の道を走る家老の姿は秋谷にとっては醜いものでしかない

庄三郎は秋吉の姿を鏡とし郁太郎に兄のように慕われ郁太郎も武士として立派に成長していく。
薫とのロマンが物語を彩る。

世の中には理不尽なこと不条理なこと矛盾する事が多々ある。筋を通すことで他者から誤解される事も多い。何を曲げて何を諭すか人生はそれを悩みながら生きるものだ。
自分の中に揺るぎない1つの柱がある。それが武士だと葉室麟は蜩の声を凛として聞く姿に写して書き上げたのだと思う。

[PR]

by willfiji | 2014-07-30 10:54 | 読書 | Comments(0)

いのちなりけり

最近現代小説ばかり読んでいたがしっとりとした時代物を読みたくなって、葉室麟の「いのちなりけり」を選んだ。期待通りの良書だった。
a0199552_1650347.jpg

一途な愛を歴史の流れを背景に清らかに描く葉室麟の世界にあっという間に取り込まれていった。
咲弥にとって2番目の夫として婿入りした蔵人は他界した前夫のような教養の持ち主とは思えない風貌の人だった。

初夜の晩、咲弥は蔵人に「あなたにとって心の歌は何か」と問う、蔵人が答えに窮していると咲弥は部屋を引き払ってしまう。寝所を共にすることなく時が過ぎ、やがて蔵人は藩を追われ、離縁されてしまう。凡庸に見えても蔵人は胆力のある腕の立つ真っ直ぐな志のある武士であった。お家騒動を治めるために自らに罪を背負わせ浪人となったのだ。

幼い頃、咲弥は行方不明となり大騒ぎとなったことがある。咲弥は桜の花に見とれて道に迷い若者が現れて家まで送り届けてくれた事を思い出した。その人は蔵人ではなかったか。

物語の綾が咲弥と蔵人を引き寄せていく。

蔵人が追放せれると咲弥は水戸家預かりの身となる。美しく教養のある咲弥は光圀の目に止まり、側めにとのぞまれるが夫を待つ身であると断る。

光圀は自ら詠んだ歌

「春風も心して吹け、散るは麗し咲かぬはつらし花木の本」を咲弥から返されると潔く諦める。

黄門様といわれ大日本史を編纂していた時だから元気がいいともいえる

葉室は天皇が次第に権力を失う背景の中、咲弥と蔵人の一途な愛を描いていく。
戦いに傷つき咲弥の元に蔵人が現れる。見つけた歌を披露する。
浪人中も一心不乱に歌を学んだ蔵人が出会ったのは

「春ごとに花のさかりはありになど、あい見むことは命なりけり」。

新古今和歌集、よみ人知らずであった。

[PR]

by willfiji | 2014-07-21 16:53 | 読書 | Comments(0)

オーデュポンの祈り

オーデュポンの祈り(著・伊坂幸太郎)は不思議な本だ。これがシュールな本というのだろう?
a0199552_1016770.jpg

主人公伊藤は今流行りのIT系の会社を辞める。理由がないのが今風の若者だ。
何気ない思いつきでコンビニ強盗をしてしまい、警察に収容される車から気がついた時には脱出し、知らない島のアパートでひとり寝ていた。シュールだ!

日比野という男がやってきてこの島の概要を教えてくれる。
地理的には日本の松島あたりにある島だが今は鎖国中でタイムスリップしたわけでない。時は同じ。日本との交流は大型ボートを持っている男のみがやっている。少しも不便がないと言う。

文脈にいろんな疑問がわいてくる。しかし、未来を知るしゃべる案山子や、うそしか言わない画家、理由にならない罪を犯した人を銃殺してしまう詩人等変な(人)物が次々に現れてそれぞれ勝手に物語を創っていく。

雨の前にツバメが低く飛ぶ理由が書かれていると思うとメチャクチャな暴力を振るう警察官が出てきたりする。理由や根拠が哲学的で断片的にはおもしろいが半分以上読んでも、ピカソの絵のようにわけがわからない。シュールとはそういうものだ

純文学には難解なものは沢山あるがこれはあくまでも文芸のジャンル。最後の最後で疑問が解けてすべてが案山子の言葉で繋がる。やっとこの本のおもしろさがわかる。骨の折れる読書だった。
当分この作者の本は遠慮することにした。評価が低いわけではない。
シュールには僕の頭脳がついていけない超現象だ。

[PR]

by willfiji | 2014-07-16 10:24 | 読書 | Comments(0)

マスカレードホテル

「マスカレードホテル」は東野圭吾らしい小説だ。
筋書きの展開も読者をうならせる企業と社会の利害の中での個人の生き方を問うものになっている。
a0199552_1745276.jpg


主人公山岸直美は評判のいい優秀なホテル(ウー)マン。
ホテルが連続殺人事件の次の場所になると推測した警察がこのホテル各所に従業員として署員を各所に潜りこませる。直美は受け持ちのフロントに配属された新田を教育しそれらしくみせる役割を任される。

刑事独特の横柄な態度がなかなか抜けない新田だったが直美のお客に対応する真摯な姿を間近に見ることによってスマートさを持ちホテルマンらしくなっていく。何故このホテルが次の殺人事件の現場になるのか?警察が厳重な警戒をしていることを公表して未然に事件を防がないのか?直美の疑問は従業員には知らされていない。

個々の持ち場で言われた事を精一杯やれば成果が出ると考えるのは警察も企業も変わらない。優秀な従業員や刑事はただの歯車になる事を嫌い全体を知った中で自分の役割を果たす事にまい進する。新田も直美も優秀だからこそ全体を知ってこそ能力を発揮する

このホテルで事件がおこらなければいいと考える直美とここで捕まえなければ更に事件が拡散すると考える新田は衝突する。衝突しながらお互いの立場を理解するようになる。

直美はお客様第一を実践することが必ずしも社会正義にならない立場で迷う。
一流のホテルマンであってもその矛盾は解けない。
小説は犯人逮捕までの見事な種明かしはするがこの矛盾を問いながら余韻を残して終わる。
東野らしいと言ったのはそんな訳だ。

[PR]

by willfiji | 2014-07-08 17:10 | 読書 | Comments(0)

犯人に告ぐ

「犯人に告ぐ」はエンターテーメント作家、雫井修介の代表的作品。
a0199552_1824733.jpg

巻島は6年前、誘拐事件の犯人を取り逃がし、幼い男児の命を失った現場を指揮した管理官だった。
その責任を取る形で左遷の身にあった。
彼に手を差し伸べ、新たな男児連続殺人事件の特別捜査官として再登用したのはかつての上司であったキャリア組の曽根だった。

巻島は自らTVに出演する事で犯人を挑発しあぶり出す作戦に出る、劇場型捜査だ。
時として犯人を持ち上げる巻島に世間は冷たく当たる。
6年前も今も巻島は自分の身を省みずただ事件解決に向かう。
彼を支えるのは心が通じた2~3人の部下と家族だけ。

曽根は功は自分、責任は部下にというキャリアの典型、スタンスは変わらない。
クールな巻島が大泣きするか所がある。6年前誘拐され殺された男児の父親が逆恨みをして巻島を刺す、巻島は生死をさ迷う中で詫びに来た母親に逆に大泣きし男児を失った事をわびる。
曽根が足をひっぱった事が原因の発端にあることを一言も言わない。巻島のスタンスも変わらない。

責任の取り方があざやかな人になりたいと思う。弱者を守る時、正しき事を貫く時、
多くを語らず自分の胸にしまって責任を引き受ける人だ。
損得を超えることがなかなかできないのが人間だが、部下のうちの何人かと家族が理解してくれれば世間の多数がどう思うとも構わないということは多いにあることだ。

雫井作品への共感は権力におもねるみじめさを人が持っているから生まれるものではないだろうか?

[PR]

by willfiji | 2014-07-01 18:06 | 読書 | Comments(0)