空のように、海のように♪


パピヨンパパの思うこと
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ボクの町

乃南アサの「ボクの町」は何処にもいるような若者の警察官になりたての物語。
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主人公は何処にでもいそうないい加減な若者で自分の将来も職業に対する使命感も何も持っていない。そのくせ「これがやりたかったものだろうか」と交番実習の中でもう辞めだと思う事がしばしばだ。

物事を真剣に考えた事がないから
何をやるにも無責任。しかも自己主張は強い。耳にピアスの穴を開け警察手帳に元彼女のプリクラを貼って注意を受けても反省することは無い。

そんな若者が実習の中で様々な人に出会い、いろんな体験をして、もうしばらくは続けて行こうと思う所でストーリーが終わる。簡単な筋書きだが、登場人物の会話が世相を面白く描く。

若者がごく平凡な人の中で起きる犯罪や非凡な出来事を通して大人になって行く姿が綴られる。最初は今のいい加減な若者そのままだと思ったが次第にその怠惰さが現代社会を生きる若者の術ではないかと思うようになり、熱く働いた僕らの時代に比べて清純さまで感じるようになった。

また、お巡りさんと言えば親しみ易いが、「権力嫌いな人やちょっとした交通違反で捕まった人は警察官にいい印象はない」との箇所は妙に納得した。何かあったら一市民として協力する気持ちは持ち合わせてはいるが。警察官に対する僕の印象はこのポリスコメディーを読んでも変わるものではなかった。

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by willfiji | 2013-12-31 12:48 | 読書 | Comments(0)

しゃぼん玉

乃南アサの「しゃぼん玉」は解説者の中でも評価が高い作品だ。
ストーリ-は作者が得意な犯罪がからむものだが、サスペンスではない人間味溢れる内容で最後はちょっと胸が熱くなった

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主人公は定職を持たず窃盗や通り魔でその日を暮らす若者。狙うのは老人や若い女性ばかり。盗んだバイクを使ってその日も若い女性を狙う。持っていた脅しのナイフが背中を刺し、そのまま逃亡する。逃げるために何台めかのヒッチハイクで乗ったトラック運転手といさかいとなり、山道に捨てられる

そこで原付バイクで転んだ老婆を助け、山村で何日か過ごす。結末が見える展開だが、出てくる村の人達がたまらなくいい。平家落人の村とのことだが若者のいない絵にかいたような過疎地で、若者は老婆の家から適当なものを盗んで逃げ出そうといつも考えていた。村の人達の疑いを知らない接し方に戸惑う日々を送る。

老人達は勤勉で毎日朝早くから体を動かし日常に必要な食材を自給自足し皆で分け合う。若者の正体を聞く事もしない老婆にも子供がいるが村から出て寄り付く事はほとんどない。
現代社会をうまく泳げない若者が初めて心を開いていく。ブラブラしているのを見かねた村の老人から山菜採りに誘われ山に入る.ただひたすらついて行くだけで体ががたがたになる。次の日はもうやめだとふて寝しても老人に無理やり連れられまた山に入る。老人の力は驚く程に強く、老婆が作る握り飯は今まで食べた事のないほどに旨い。

若者は老人の背中を見、少ない会話の中で自分の人生を考えるようになる。大家の説得力とは程遠いこの著者の力みのない文章が現代社会の歪みと人の生き方を説く。若者の心に響いて行くように描かれる。

若者は全てを老婆に打ち分け自首する覚悟をする。そのあとの展開がすばらしい。
このお正月にもう何冊か乃南アサの小説を読むことにした。

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by willfiji | 2013-12-27 12:58 | 読書 | Comments(0)

花と火の帝

隆慶一郎が「花と火の帝」を購読している日経新聞に連載していたのだが読んだ記憶はない。作者の遺作となり未完ながら上下刊の本となった

作者はジャーナリストとして活躍し、60歳から小説家としてデビュー。歴史小説家の地位を築き66歳で永眠した。わずか6年の中で一番書きたかったのは帝=天皇のことだと解説にあった。未完であっても夢の途中であっても天皇のことを書いた。読んでその本望を十分に味わった。

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家康と2代将軍秀忠の時代といえば誰でもわかるが後水尾天皇の時と言ってもいつのことだか多くの人はわからない。その時代の小説だ。

天皇の隠密が幕府の様々な要求に対し超能力を使って対抗する。天皇にも神の力があって祈祷で家康を病にしたりする。真田幸村配下の猿飛佐助や霧隠才蔵が出てくるから娯楽小説的だが本質は天皇がどんな思いで幕府と対峙したか?帝=天皇の力とはどんなものであったのか?作者は日本人の持つ天皇に対する気持ちを伝える。
昭和天皇を書けば政治的にならざるを得ないが江戸幕府創成期なら天皇のことを書いてもタブーを犯すまでには至らないのだろう?人間的な天皇の姿が描き出される。

天皇は学問の人として国の長であり犯すべからずの存在だった。
家康が天下統一で目指した地位は征夷大将軍であって帝ではない。但し禁中並公家諸法度を発令して天皇から武力を奪った。

ローマ皇帝にもイギリス国王にも見られない日本独自の文化的存在感が天皇にはある。
教育では生まれながらに人は平等だと教える。一般的に言って世襲は公明正大ではない。だが一般的に世襲が踏襲される。世襲には多くの弊害があるが、倒すとなれば争いとなり危険視されるからだ。天皇は世界に類をみない世襲の集大成だ。

後水尾天皇は隠密達に決して相手を殺してはならないと言い含める。芸に秀でることが天皇の使命だと学問に励む。
日本人の心にある「和をもって尊しとなす」は天皇家の礎となった聖徳太子の教えだ。その心を破って日本は敗戦を迎えた。
天皇が再び利用される日が来てはならないと作者は人生の最後にこの本を書いたのだと思う。

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by willfiji | 2013-12-19 17:58 | 読書 | Comments(0)

すれ違う背中を

乃南アサは難しいテーマを平易な文章で書く才能豊かな作家だ。「すれ違う背中」は姉妹旅行の行き道で読んだという義妹から家内が預かって僕の手元に届いた本だ。

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主人公は前科者のアラサー芭子とアラフォー綾香の女性二人。出所後の暮らしぶりが描かれる。
仕方が無かったと言っても人を殺め芭子は20代のほとんどを刑務所で過ごし、綾香も芭子の半数の服役をした。ほぼ同時に社会復帰した二人は近くに住んで無二の友人として暮らす。

通常刑務者が社会復帰してもつながっていることはめったにないが、二人はムショ時代から引き合うものがあった。犯罪者は刑を終えても昔に戻るわけではない。二人は全てを失い社会に出された。
二人でいる事がどんなに心強いか、後ろ向きになりがちな人生が二人でいることで一筋の光を見出し、ちいさな希望の扉も開く。
不遇な環境にあってもネガティブにもポジティブにも生きることができる。

芭子は刑務所で覚えた縫製技術を活かして可愛い犬の服を作りそれが人気を呼びその収入がペットショップのアルバイト代を上回るようになった。綾香は朝早くから起き、重い小麦粉を運びパンを焼く、大変な仕事だがパンの焼ける匂いを嗅ぐと幸せな気分になる。おいしいパンも焼けるようになり、将来はパン屋さんを開くためにコツコツと仕事をする。前科があることを知られないように肩を寄せ合って生きる二人だが希望が二人を明るくする。

幸せの価値はひとりひとりが作り出すもの。どんなところにも幸せは宿る とこの本は優しく教えてくれる。

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by willfiji | 2013-12-05 17:30 | 読書 | Comments(0)