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パピヨンパパの思うこと
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「パナマの仕立屋」(読書no.235)

「パナマの仕立屋」 (著・ジョン・ル・カレ) 

難解なエンターテーメント小説だ。外国小説特有の言い回しがしばしページをめくる手が前にもどる。

パナマ運河をめぐるスパイ活動が描かれ、裏の政治の影響が語られる。

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パナマ運河は3日で200隻の船が行き交う。スエズ運河と並んで世界経済を左右する重要な運河だ。スエズがかつてそうであったようにパナマもアメリカの支配の下にあって、パナマ政府の動向によっては紛争の火種になる。


主人公はイギリス出身で仕立屋を営む。政財界の有名人が顧客だ。妻はアメリカ出身、パナマ運河国有化を推進する有力議員の下で働く。


支配される国に祖国が違う人たちの生い立ちがパナマ運河の支配権に対する考え方の違いを生む。一人一人のプロフィールを丁寧に記述して違いが争いを呼ぶ工程をみごとに浮き上がらせる。


国家という概念が生まれて国と国が戦う構図が生まれた。

何千万人という人たちが戦争で死んで、武力では何も解決しないことを知っても人々は戦争に向かう傾向がある。根本には相手の立場に立つことができないからだ

この本を読んでいる最中に日系イギリス人のカズオ・イシグロ氏のノーベル文学賞受賞があって氏のアーカイブが放送された。


学生たちに話す内容は氏の哲学そのもので特に
2つのことが胸を打った。


1つめは「小説はフィクションであるがその中に真実がかくされている」という事。


そして2つ目は歴史の事実について記憶の話だ。ナチス占領下のフランスにはナチスに協力する人たちが多くいた、レジスタンに加わる人を密告したり、ユダヤ人を差しだしたりした。戦争が終わって、そのことで暗い空気がフランス全土に漂った。誰が裏切り者か皆知っていたのだ。

そこでドゴール大統領は国民に呼びかけた、「しばらくの間みんなの記憶を変えよう」とそれは「すべての人がナチスに対して戦ったのだ」と。フランス人の心が解放された。しばらくとは、この国が本当に強くなった時までとした。


日本も記憶を変える必要があった、ドゴールのように意図的に決断する指導者はいなかったが、記憶を変えることは小説の中に真実をみつけることと深い所でつながる。


ただし、日本にはフランスとは違う加害者としての立場がある

自分の祖父や父親はアジア開放のために戦ったと思ってもいいが国の立場としては史実と向き合う必要がある。被害国の人たちのことを思いやる加害国としての責任がある。


記憶を変えるためのノンフィクションをフィクションにしてはならない。


小説が深く共感されるのは自己にある記憶を善悪ふくめて言葉に表してくれるからだ。


この本とカズオ・イシグロ氏が共振して歴史を曲げる人の思いまで知ることとなったのは大収穫だ。




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by willfiji | 2017-10-13 16:58 | 読書 | Comments(0)
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