「荒れ野の40年」(著・リヒャルト・フォン・ヴァイツゼッカー)
戦後70年を迎える今年、多くの日本人が願っているのは安倍総理の発言が隣国との関係を悪化させない事だとボクは思う。
今、これ以上の
反省と謝罪の重苦しさから逃れたい人達が発言を強め、加害者としてよりむしろ被害者としての振る舞いが目立つようにもなっていることも否めない。
この本は同じ敗戦国ドイツが戦争に対して歴史を見据え、永年の敵であった隣国との関係を友好に変えた、戦後40年を迎えた時の西ドイツの首相発言記録である。
偉大な演説の書である。
ヴァインツゼッカーのこの発言が
ベルリンの壁を崩壊させ、争いの絶えないヨーロッパ各国がユーロ圏という統一体を持つに至ることにもつながったとされている。
戦後70年の今年、再び話題になっている書で日本とドイツの違いに様々な見解が発せられている。
この本に批判的な人は「ドイツ人は戦争をナチの責任であって国民はわからなかったとしている。日本人は戦争責任を
国民全員にあるという考えがあって日本人の方が潔い。」と言う。
ナチという戦争責任を明確にして二度と戦争をしない国にするのと、責任者を断罪する事を良としないで、独自の寛容性を持って戦争を総括する国の違いがあるように思う。
この本は戦争を憎み、戦争の残虐性を隠さず、人としてやってはならないことを明らかにする。「和解と謝罪」が本心で語られる。戦争を経験した人達に戦争を
心に刻み謝罪し和解を求める事を訴える。
ドイツにも戦争被害を多大に情宣する被害国がある。日本でも南京虐殺や慰安婦問題では過大とも言える被害が訴えられている側面がある。
被害者の訴えが過大であってもその事を
飲み込んで和解する事が重要だと思う。
平和とは
絶え間無い忍耐を人類に課したご褒美だと思う。
「荒れ野の40年」はこの夏安倍さんが語る戦後70年にどんな影響を与えているだろうか?
彼がこの本を読んだと聞いたが。少ない
可能性を望んで止まない。